夕飯を前にした肉食者の怨嗟

細切れのフレッシュな野菜の上に
主役顔で鎮座する豚肉
ドレッシングに身を湿らせて
コンクリートのような灰色を晒している

食卓にはロココ調の椅子が
虚飾を上乗せして待っている
相撲取りの荷重に耐えられぬ
華奢な仕組みの飯と法律

外は雨降り でも
家の中はロケンロー
ドラマーのかく鼾は
機械時計のように繊細で正確だ

世界は今日も変転する
若者がおじさんになりいつしかお爺さんと呼ばれる
誰にも等しく酷薄な時間の前で
豚しゃぶがなだらかに腐敗へ進んでいる


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